あらすじ
十二年に一度行われる「竜人祭」。
巫女の舞は、竜を鎮め、世界を守る儀式——そう信じられてきた。
だが守備兵の少年・鐘道は知ってしまう。
巫女・碧星は、竜への生贄だ。
碧星は言う。
「世界のためなら、死ねる」と。
けれど彼女は震えている。泣きそうな顔をしている。
鐘道は決める。
世界の全てを敵に回してでも、彼女を選ぶと。
祭壇から連れ出し、剣を抜き、見知った仲間を斬る。
それでも彼は願ってしまう。
碧星と生きる明日を。
これは英雄譚ではない。
勇気の話でもない。
少年が一人の少女を選び、
世界を滅ぼす物語。
——世界を犠牲にして、君と旅をする。