あらすじ

「ディートリンデ! 今この時をもって、君との婚約を破棄する!」 「「「――!!」」」 煌びやかな夜会の最中。 我が国の第一王子であるバルドゥル殿下が、唐突にそう宣言した。 嗚呼、またか……。 これでこの光景を目にするのは、いったい何度目かしら……。 とはいえ、こうなってしまった以上、惚けているわけにもいかない。 いつも通り、粛々と事を進めるだけよ。 「……バルドゥル殿下、どういうことでしょうか? 我々の婚約は、国が定めた絶対的なもの。余程の理由がない限り、破棄することはできないと存じますが」 「ああ、その余程の理由があるから、僕はこうしてるんだよ! ――しらばっくれても無駄だぞ! 君が最近、エマに執拗な嫌がらせをしているのはバレているのだからなッ!」 バルドゥル殿下は隣に立っている、男爵令嬢のエマさんの肩を抱く。 「嫌がらせ? いったい何のことでしょうか? 私はエマさんに、私という婚約者がいるバルドゥル殿下と、二人で会うのは如何なものかと忠告したまでですわ」 「だーかーら! それが嫌がらせだと言ってるんだよ僕は! どうせ君のことだ! ネチネチと嫌味を言って、エマを精神的に追い詰めたんだろう!? 君のような痴れ者は、王太子である僕の婚約者に相応しくないッ!」 「それは違いますよ、兄上」 「っ!? ラルス……!?」 その時だった。 第二王子であらせられるラルス殿下が私の前に立ち、バルドゥル殿下と対峙した――。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/01/09
  • 現在の作品今日も私は、婚約を破棄される