あらすじ

三月一日、東京ビッグサイト。フロアを埋め尽くすリクルートスーツの黒い波に、文学部生の田中さくらは圧倒されていた。 「言葉の力で誰かの心を動かしたい」 そんな漠然とした憧れは、利益率やグローバル展開といった現実的な数字の前に、音を立てて崩れていく。 戦略的に内定を狙う友人・凛と、自分らしさを貫く友人・優海。二人の間で揺れ動くさくらは、親の期待と「世間の安定」という呪縛に縛られ、自分を偽るための「理想の自分」をエントリーシートに綴り続ける。しかし、届くのは無情な『お祈りメール』ばかり。 「私は、社会から必要とされていない――」 孤独な自己分析と、役割を演じることに失敗した集団討論を経て、さくらは一人のOGと出会う。それは、効率や安定の影に隠された、自分が本当に求めていた「言葉」の世界への入り口だった。 これは、周りに流され続けていた一人の学生が、自分を偽るための鎧(スーツ)を脱ぎ捨て、自分の人生を「自己決定」するまでの、葛藤と再生の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/01/09
  • 現在の作品桜咲く未来へ~私は「自分」を選び取る~不採用通知から始まった文学部生の逆転就活物語~