あらすじ
――感情の波が、私たちにとっての武器になる。
父母が私を置いて夜逃げした次の日、恐らくは堅気ではない輩に連れ去られそうになった私を助けてくれたのは人智を超えた力を持った女の人だった。魔女になれる素質があると言ってくれたその人に師事した私は、一年後に魔女候補の夜会へと送り出されることになる。
共感してはならない、同情してはならない。それが魔女同士で争う際の鉄則だ。たとえ似たような不幸を背負っていようとも、たとえ辛い経験を経ている者がいたとしても、その感情が私たちを敗北へと導く。けれど魔女候補同士で蹴落とし合うことは真の目的じゃない。
魔女の使命はこの世に蔓延る悪意を潰すこと。それらを異形の力で御する者たち――魔女狩りを討つこと。だから私たちは互いに命の奪い合いや駆け引きをしている場合じゃない。なのにどいつもこいつも血の気が多くて困る。
それでも――
たとえ魔女になれずに死ぬことになろうとも、誰かの命を奪うことになろうとも、あのときに感じた絶望に戻りたいなんて思わない。
※不定期更新になるかもしれません。