あらすじ
まずはなろうでも掲載していますが、中身は若干変えています。
あらすじ
世界を救うために壊れていく君を、僕だけが知っている。
トラウマや絶望を魔力燃料とする近未来都市「アーク」。
その繁栄は、全市民の「負の感情」を一身に吸収する一人の少女――「聖女」セレスティアの精神的な犠牲の上に成り立っていた。
毎週末、限界を迎えて「死にたい」と泣き叫ぶ彼女の元へ通うのが、僕、如月ハルの仕事だ。
僕の能力は『感情の結晶化』。
彼女の精神が壊れる寸前、その膨大な絶望を物理的な「石(ジェム)」へと置換し、彼女の心をリセット(疑似的な殺害)すること。
「ハル……、お願い、早くして……」
リセットされた彼女は記憶の一部を失い、また一週間、聖女として完璧に振る舞う。
僕たちが密室で共有するのは、処刑にも似た救済と、世界一歪んだ「添い寝」の時間。
だがある日、僕は気づいてしまった。
僕が彼女から抜き取った「絶望の石」が、街を動かす**「永久機関」のエネルギー源として高値で取引されている**ことに。
彼女は救われているんじゃない。永遠に搾取されるために、僕の手で「生かされ続けている」だけだったんだ。
――だから僕は決めた。
次に彼女を「殺す」時、この世界そのものを敵に回しても、彼女の手を引いて部屋の外へ連れ出すと。
これは、死にたがりの聖女と感情を殺した少年が、世界のシステムに中指を立てる物語。