あらすじ
空に浮かぶ理想郷「エーテルガルド」。この街の全てのエネルギーは、人々のトラウマを燃料とする「魔導回路」によって賄われていた。なかでも最も純度の高いエネルギーを供給するのは、民の負の感情を一身に肩代わりする、当代最高の聖女・セレスティア。 しかし、負の感情を溜め込みすぎた聖女の精神は、定期的に「殺害(リセット)」しなければ、汚染が街中に逆流し、世界が崩壊する。
主人公・ハルは、聖女の心を無機物化し、物理的に摘出する「感情処理官」の少年。 「お願い、ハル。今日こそ私を……本物の死へ連れて行って」 無機質な白い部屋で、週に一度繰り返される、偽物の死と、宝石に変わる絶望。 これは、世界を救うために「一人の少女を殺し続ける」ことを義務付けられた少年と、彼に殺されることでしか救われない少女が、いつか世界そのものを裏切るまでの物語。