あらすじ
前世を病死で終えた少年・レイン。 二度目の人生、彼は公爵令嬢エリアナの執事として生きていた。 かつての不自由な体とは違う、魔法も武術も極めた最強の肉体。 だが、彼がその力を振るう理由は、正義のためでも野望のためでもない。
「お嬢様のワガママを、全て肯定するため」
お嬢様が木登りをしたいと言えば、魔法で安全網を張り。 お嬢様が急に買い物をしたいと言えば、馬車を音速で走らせる。 たとえ周囲の使用人たちがドン引きしようとも、お嬢様が幸せならそれでいい。
しかし、その「愛」は時に狂気へと変わる。
お嬢様の安眠を妨げる魔物がいれば、一晩でその生態系ごと殲滅。 お嬢様の瞳に隈を作らせた盗賊がいれば、指一つ動かさずに消滅。 彼にとって、お嬢様に不快感を与える存在は、全て等しく「お掃除対象」でしかない。
そんなある日、社交界の帰り道にお嬢様が誘拐された。 誘拐犯たちは、レインを一時的に遠ざけるという「完璧な知略」を実行した。 だが、彼らは知らなかった。 温厚な微笑みを絶やさなかった執事から、その微笑みを奪うことが何を意味するのか。
「お嬢様に指一本触れましたね。――今すぐ、死んで償ってもらいましょう」
これは、最愛のお嬢様のために、世界を「掃除」し続ける狂気的な執事の物語。