あらすじ
私にとって
国の英雄を殺しかけている呪いは
ただの換気扇の油汚れにすぎなかった
聖女召喚のハズレ枠として
無能の烙印を押され
着の身着のままで捨てられた私
森で死にかけていた騎士団長の鎧を
汚いからという理由で拭き上げた瞬間
運命は予想外の方向へと転がり落ちる
触れるだけで命を削るはずの猛毒を
私は掃除機のように吸い込んで
無害化してしまうらしい
私の側にいないと呼吸すらできない彼と
誰かに必要とされたかった私
痛みと孤独を埋め合わせるように
私たちは互いなしでは生きられなくなっていく
王都が黒い泥に沈むとき
掃除道具を手にした私が選ぶ未来とは