あらすじ
「婚約者のいる人を奪って、死なせた。それが私の、一生消えない罪だった」
中三の夏、凄惨な事故で「最愛の人」を失った夏実は、周囲から『略奪の末の殺人者』と蔑まれ、自分を罰するように生きてきた。
高校での壮絶ないじめさえも、先生を忘れないための「罰」として甘んじて受けていた。
そんな彼女の前に現れたのは、学校で恐れられる不器用な留年生、真。
「死んだやつを、お前が苦しむための道具に使うんじゃねえよ」
突き放すような彼の叫びは、逃げ場を失っていた夏実を、残酷なほど優しい現実へと繋ぎ止める。
彼もまた、親友を守れなかった「消えない後悔」を背負って生きていた。
救えなかった命。守り抜こうとする命。
二つの壊れた魂が、海辺の街で共鳴し、塗り替えられていく。
これは、過去という暗闇に蝕まれた二人が、たった一人の「味方」を見つけるまでの、再生の物語。