あらすじ
大学に通う一年生、相馬透(そうま とおる)の生存戦略は「事なかれ主義」だ。
目立たず、責任を負わず、そこそこの成績で人生をやり過ごす。
そんな平穏なモブライフは、ある夜のバイト帰り、カビ取り剤とクイック〇ワイパーを持ったまま「異界」に迷い込んだことで崩壊する。
路地裏で透を襲ったのは、地球の生態系を逸脱した肉食獣。
そして、絶体絶命の透を救ったのは――月光を背負って降ってきた、銀髪の「王子様」だった。
「見つけた。今日から君がボクの飼い主(マスター)だ」
彼女の名はヴェル。星の海を渡ってきた外宇宙の生命体。
一目惚れという名の「ロックオン」をされた透は、問答無用で日常を侵略されていく。
捏造された許嫁設定。実家への強制同居。そして大学での公開求愛。
だが、透はまだ知らなかった。
彼女がもたらした「非日常」が、単なるラブコメでは終わらないことを。
人混みに紛れる「皮を被ったナニカ」。
日常の裏側で、常に口を開けている死の気配。
観測者である彼女と繋がったことで、世界の解像度を強制的に上げられた透は、掃除用具を片手に、血と鉄錆の匂いが混じる「運命」へと巻き込まれていく――。