あらすじ

​「大切なものは、目に見えない。けれど、この面の下でなら見えるはずだ」 ​セピア色の霧が立ち込める、生と死の境界。 自ら命を絶とうとした男は、そこで一人の老人と、漆黒の獣の面に出会う。 ​死者たちが「形あるもの」を捨て、光へと還っていく場所。 男は「結鳴(ゆうめい)」と名乗り、かつて愛した人が脱ぎ捨てた「愛の残骸」を拾い集める。 ​それは、謝ることを禁じた男が、いつか「ごめんね」に代わる音を見つけるまで…… あの日、屋上の縁で彼女が零した「ごめんね」は、僕の愛を切り捨て、彼女が自由になるための終止符だった。 ​彼女は光のなかへ羽ばたき、僕はひとり、セピア色の地獄に取り残される。 ​これは、自分を捨て、音を殺し、誰にも見えない「愛の残骸」を拾い集める男の、静かなる誓いの記録。

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カクヨム
カクヨム2026/01/08
  • 現在の作品空の鳴音(そらのめいおん)