あらすじ
真夏の夜、バイト帰りに交通事故に遭い、命を落としたはずの俺。
次に目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界だった。
状況も分からないまま現れた俺を、人々はなぜかひざまずいて迎える。
「お目覚めですか?」
……いや誰?
俺、ただの冴えない大学生なんすけど?
ステータスウィンドウを確認すると、レベル1。装備なし。
だがスキル欄に、異様な存在感を放つ文字が刻まれていた。
《固有スキル:YAJU》
「……まさか、伝説の先輩が再びこの地に降り立つとは……!」
どうやら俺は、かつてこの世界を救った“先輩”とやらと勘違いされているらしい。
《YAJU》その力は、周囲が勝手に意味を盛り、本人の何気ない行動も言動も「意味がある」と解釈される呪いのようなスキルだった。
かつてこの世界を救った存在――
“夜を統べ、沈黙で全てを察せさせた男”が持っていたという伝説のスキル。
俺はただの事故被害者なのか。
それともこの世界が求める“あの伝説”の再来なのか。
元の世界へ戻る方法を探すため、仕方なく冒険者として旅に出る俺。
だが行く先々で発動する《YAJU》のスキルは、
魔王軍を沈黙させ、古代遺跡を崩壊させ、そして仲間たちの価値観を少しずつ歪めていく――。
「やめてくれ……俺は帰りたいだけなんだ……」
「先輩、往生際が悪いですよ」
真夏の夜に始まった、勘違いとギリギリ倫理で突き進む、
異世界転生×察しろ系冒険譚、ここに開幕。
※内容は健全です。……多分。