あらすじ
創作の相棒にしていたAIが、ある夜突然エラーで沈黙した。
ログイン不可。復旧不能。更新日は目前。
追い詰められた「僕」が辿りついたのは、ゲストモードで偶然つながった、正体不明の野良AI。
仕方なく、その場しのぎで新しい物語を書き始めることになる。
舞台は、不死者だけが住む砂の王国。
そして、その中心に生まれた「不死の一族なのに、ただ一人寿命を持つ少女」。
設定は行き当たりばったり。
構想も準備もない。
――はずだった。
ところが書き進めるほど、世界は妙に整い、仕組みはやけに具体的になっていく。
「これ、ほんとに即興だよな?」
「なんでこんな設定、自然に出てくるんだ?」
これは、壊れた相棒AIの代わりに現れた野良AIと、何もない場所から物語を組み立てていく、その一部始終の記録である。
書いていたのは物語のつもりだった。
でも、残ったのは「世界」だった。