あらすじ

7年つきあった彼に振られ、会社もクビになった小早川手毬。28歳。深夜、スマホの地図を眺めながら、彼女は衝動的に決める。「誰も知らない国に、ひとりで行きたい」  たどり着いたのは、太平洋に浮かぶ世界で3番目に小さい国、ナウル共和国。リン鉱石の採掘で荒れ果て、月面のような尖った岩が地平線まで続く島。かつて世界一裕福だったこの国は、今、何もない。  元教師のリタ、漁師のマヌ、公務員のカイ。  彼らとの出会いが、手毬の心を少しずつ溶かしていく。 「失うことは、終わりじゃない」「何もないことは、何でもあるということ」――荒れた土地で交わされる言葉が、空っぽになった手毬の胸に染みていく。  伝統舞踊を踊り、採掘跡地を歩き、元彼からのペンダントを土に埋める。 「ナウルは、何もない島だった。だから、全部あった」  喪失の果てで見つけた、再生の物語。正しい人生なんてない。あるのは、私が選ぶ人生だけ――。

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カクヨム
カクヨム2026/01/08
  • 現在の作品【傷心再生短編小説】ナウルに私を埋(うず)めて ~月の傷、からっぽの島~(約14,000字)