あらすじ
〝忌霊(ゴースト)〟と魂が接続することによって、ヒトが人外の力を手に入れる、もう一つの現代。
いにしえよりそのような〝忌者(ランナウェイズ)〟は歴史に名を残し、あるいは、陰で息を潜め生を全うした。
時は二〇二四年――十月。
冥月市に暮らす十七歳の青年・舵笠愁也(かじがさしゅうや)は日課の墓参りをしていた際、唐傘を差した喪服の女とすれ違う。
「渚にて」と囁かれ、不審に思い振り返ると、女は消えていた。
その帰り道、愁也は「死臭」がするというよくわからない理由で、黒服の連中から銃を突きつけられる。
炸裂する銃弾と、痛みを通り越した狂熱の中で、愁也は生に藻掻き、そうして――「渚」へ這い上がる。
待ち受けていた喪服の美女は、唐傘を回しながら言う。
「私は舵笠伊織――お前の遠い遠い先祖。〝これ〟を持ってゆくが良い」
託されたのは一振りの刀。
そうして、愁也は忌者(ランナウェイズ)として、再び現世へと帰還する――。