あらすじ
佐伯直、45歳。バツイチ、一人暮らし。
地方の印刷会社で営業を20年。出世はしてない。
休日はスーパー銭湯。友達はいない。
人生は「普通」だった。諦めていた。
ある日、隣に引っ越してきたのは、
20年ぶりの高校の同級生、藤川美咲だった。
シングルマザー。中学生の息子と二人暮らし。
明るいけど、疲れてる。でも、笑うと昔のまま。
「高村くん、昔から優しかったよね」
その何気ない一言が、直の止まっていた時間を動かす。
でも、直は言葉にするのが苦手だ。
元妻に「あなたと話すの、疲れる」と言われて、離婚した。
誰かの人生に「入る」ことが、怖い。
美咲も、誰かに頼ることが怖い。
元夫に「重い」と言われて、捨てられた。
不器用な2人が、少しずつ距離を縮めていく。
でも、美咲の息子・陽斗が、直を拒絶する。
「お前も、どうせ同じだろ」
直は逃げそうになる。
また、誰かを傷つけるのが怖い。
でも、今度は違う。
今度は、ちゃんと言葉にする。
「俺は、美咲さんが好きだ」
45歳の男が、もう一度、誰かを好きになる。
部屋の隅じゃなく、ちゃんと隣にいる。
これは、不器用な大人たちの、再生の物語。