あらすじ
――世界は、空腹に呪われていた。
ラグナロク王国に生まれた者は、生涯つきまとう飢えに震える。
食べても食べても満たされない。
自我が砕ければ、人は怪物へと堕ちる。
“飢餓化”。
それは飢餓の始祖が世界に打ち込んだ、最悪の呪い。
俺――ノアスは、その飢餓化を止めるためだけに生きている。
ヒーロー。
そう呼ばれる職業は、尊いなんて綺麗ごとじゃない。
獣人の相棒と二人で命を張り、飢餓化した人間を救い続けるだけの仕事だ。
かつて、俺には最愛の相棒がいた。
けれど、飢餓化暴走を止められずに……失った。
その日から、俺はヒーローを辞めるつもりだった。
――あの日、あの少女と出会うまでは。