あらすじ
六年前、過去最大の豪雨と地震が発生した。「いつか、あなたに見つけて欲しいものがある。それを見つけたとき、あなたは心の底から笑っているわ」そう言い残した日下部(くさかべ)進(しん)の母親は彼の命と引きかえに亡くなった。父親は妻を亡くしたショックから会社を辞め、酒に溺れ、借金地獄となり、極地の貧困となった。それが原因で進は中学校で虐められるようになる。問題を隠そうとする担任、自己利益優先の学校組織、酒に荒れ狂う父親、誰も助けてくれる大人がいない進は何度も死にたいと願った。だが自分は母親の犠牲の上で生きている、簡単に死ぬ事などできなかった。自分は何のために生きているのか、どうすれば笑えるようになるのか、そして母親が見つけて欲しかったものは何か、進は艱難辛苦から逃れる為、答えを探し始める。すると人生を変える出会いが訪れた。古本屋、道明書店の店主、道明(どうみょう)和幸(かずゆき)とアルバイトをしていた女子高校生、白石(しらいし)由梨(ゆり)だ。餓えの苦しみ、学校組織への恐怖から進学せずに金を稼ごうと働き始めた進が道明から教えられたものは決して学校では教えてくれない哲学であった。どんな言葉を使うのか、何を考え生きるのか、人生は左右される。これまでの根底を覆された進は揺るぎない軸を心に創るよう教えられ、次々に襲いかかる金銭問題、対人問題、家族の悩みを乗り越えてゆく。しかし道明と由梨は大きな秘密があった。進の家族を知っていた道明。余命のない癌だった由梨。命とは何か、なぜ生きるのか、どうすれば幸せになれるのか、最後に明かされた真実に進はようやく母親が伝えようとした言葉に辿り着き、真の幸福と成功を手に入れる。