あらすじ
深夜二時、国道沿いの古びたコインランドリー。そこは社会の激しい鼓動から隔絶された、忘れ去られたい人々の「余白」だった。過去を捨てて生きる男・一色は、銀色のドラムが回る単調なリズムの中に安らぎを見出す。ある雨の夜、ずぶ濡れのパーカーを抱えた若者・ナギが現れる。互いの素性を問わず、ただ機械の振動を分け合う二人。社会という巨大な心臓が拍動を続ける外の世界をよそに、ランドリー内の時間は漂白されていく。夜が明け、再び日常へと戻る一色の瞳に映ったのは、昨日までとは少しだけ解像度の異なる、静かな世界の息吹だった。