あらすじ
桐生正義(きりゅう・まさよし)、42歳。中堅の生産用機械メーカーで生産技術課長を務め、町工場から大手サプライヤーまで信頼を築いてきたベテランエンジニア。しかし、経営陣との対立の末に会社を追われ、人生の全てを失ったその日、トラックに轢かれ命を落とす。
気がつくと、そこは剣と魔法の異世界。神から「鍛冶と工匠の守護者」として転生させられた正義は、衰退寸前の小国・カルダニア王国の片隅にある寂れた鍛冶工房で目を覚ます。
この世界では「魔導兵器」と呼ばれる巨大な機械兵が戦争の趨勢を決める。しかし、魔導兵器を製造できるのは帝国ただ一国であり、その技術は完全にブラックボックス。カルダニアは帝国への従属を余儀なくされていた。
正義は決意する。前世で培った「生産技術」の知識——工程設計、治具製作、品質管理、そして何より「現場力」と「カイゼン精神」で、この世界のモノづくりを根底から変えてやる、と。
キサゲ加工で精度を出し、ポカヨケで不良を防ぎ、なぜなぜ分析で根本原因を潰す。やがて、彼の工房は王国の希望となり、帝国の支配を揺るがす存在へと成長していく——。
これは、追放された中年エンジニアが、異世界で「モノづくり」の真髄を武器に、国を、そして世界を救う物語。