あらすじ

かつて、軍事アカデミーに身分を隠して通う一人の皇子がいた。 彼の初恋は、隣国から来た凛々しき公女フリーデリケ。しかし、彼女の首筋に刻まれた他人の愛の痕跡と、聖母のような慈しみと共に手渡された「スズランの栞」が、彼の人生を狂わせる。 三十年後。 兄たちの急逝により望まぬまま皇帝となったジュゼッペは、初恋の女性を「ババア」と罵りながら、彼女の祖国を蹂躙し、その心臓を突き刺そうと軍を進める。 一方、愛する祖国と民を守るため、圧倒的な兵力差を知略で跳ね返し続ける総司令官フリーデリケ。 これは、国家の存亡を賭けた壮絶な戦記であり― 同時に、三十年前の雪の日に取り残された男の、あまりに歪で孤独な「求愛」の物語。 和平という名の休戦が終わりを告げる時、北の雪原に再び弔いの鐘が鳴り響く。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/01/07
  • 現在の作品スズランの栞、紅の跡