あらすじ
この物語が閉じられたその時
あなたが抱くのは希望か、それとも後悔か。
ああ、それでも一つだけ予想してあげよう。
きっと読み終わった観測神《あなた》はこう言う。
ただのダークファンタジーと思っていたのに
ただのライト文芸だと思っていたのに
ただの退魔ものだと思っていたのに
『何だこの作品は!』と。
◇
「――食べないで」
脳裏で鳴り響くのは、自分の声か。
それとも、かつて怪物に成り果てた誰かの絶望か。
不二 夜鷹が守りたかった日常は、
どろりとした橙色の夕闇に溶けて消えた。
両親を奪った異形『落魔《らくま》』をその身に宿したあの日から、最愛の妹・日向の拍動は、彼にとって「生命の旋律」ではなく「極上の馳走」へと書き換えられた。
自らの腕を噛み切り、
鉄の味で理性を繋ぎ止める少年の前に現れたのは
漆黒の狩衣を模した軍服を纏い、
傲慢なほどの正義を掲げる神祇祓魔寮『朧月』。
だが、彼らが守る「平和」の正体は、
美しさの裏で吐き気を催すほど合理的な
取捨選択の結果でしかなかった。
「誰も救えない神なんて、いらない」
偽りの神を演じながら、神という名のシステムに中指を立てる反逆者たち。
彼らが掲げるのは救済ではない。
ただ、人間が人間として生きるための権利だ。
これは、絶望を抱え、神に見初められ、拾われた
神の代わりを演じる者たちの、嘘と執着の物語。
――オモロそうか?
画面の向こう側で、オレたちの人生を「消費」している観測神《あんた》に今、問おう。
この筋書きを『見つけて』しまった以上、
あんたもまた、この地獄を望んだ共犯者の一人や。
この物語の結末《ラストページ》だけは、
神でも観測神《あんた》にも、変えさせへん。