あらすじ
もしある日、あなたが世界中の注目を集める存在になったとしたら、どうする?
この物語は、そんなひと言から始まり、そこから先を延々と書き続けていく話だ。
本作の舞台は、俺たちにはおなじみの二十一世紀地球だ。
なぜそんなことが起こったのかは――正直、書いている本人の自分にもまだよく分かっていない。だが、ともかく世界各地にいきなり【超越者】が現れ始めた。
そのすぐあと、地球上の85億人が持つスマホに、同じ謎のランキング画面が一斉に表示された。【超越者ランキング】だ。
そして、そのランキングの No.1 に載っていたのは、どこかの大富豪でもなければ、戦争の英雄でもなく、運命に選ばれた勇者様でもない。
東京に住んでいて、毎日のように残業に追われている、ごく平凡な社畜――アロだった。
その瞬間から、彼の人生は完全にレールを外れることになる。
誰かが彼をどこかの研究所に連れて行き、扱いやすい実験動物としてこき使おうとするかもしれない。
より健康な身体、若さ、長寿、権力、財産――そういったものを求める大物たちが、ひそかに彼とその家族を狙い始めるかもしれない。さまざまな思惑や圧力が一気に押し寄せてきたとき、彼はいったいどう動くのか。
もちろん、彼はおとなしく食い物にされるだけのカモじゃない。
彼の手元には、どう考えても「チート」としか言いようのない【システム】があり、このチートは、常人をはるかに超えた力と知恵を彼にもたらしてくれる。
そのおかげで、彼はようやく「本当にやりたいこと」をやれるだけの力を手に入れる。
ただし、そんな力を手にしたあとで、彼が何を選ぶのかは、また別の話だ。
同時に、【亜空間】という存在も、アロの視界に入り込んでくる。
そこには、超光速航行を可能にする「亜空間航路」があり、無数の恐ろしい怪物たちが潜んでいて、さらにとんでもなく貴重な【超越資源】があちこちに散らばっている。
そしてそれらは、いつまでもおとなしく亜空間の中に閉じこもっていてくれるわけではない。
一度でも二十一世紀の現実世界へと染み出し始めれば、もたらされるのは奇跡や災厄だけではない。もっと生々しい「人間らしさ」、たとえば新興カルトや終末論の狂信、力を奪い合うためなら手段を選ばない連中なども、必ずセットでついてくる。
だからこの物語は、「不運な No.1」がなんとか生き延びようとしながら、ついでに人生にツッコミを入れ続けるだけの話ではない。
【超越者】と【亜空間】、異世界人と宇宙人が一斉に表舞台へ姿を現したとき、人間社会がどう歪み、どう壊れ、どう組み替えられていくのか――その過程を描く物語でもある。
もしあなたが、「主役になるつもりなんて一度もなかった、ごく普通の人間」が、世界中の視線を浴びながら、それでも必死に生きていこうとする姿を見てみたいと思うなら――この本を開いてくれたら嬉しい。
※:本作には R18 要素が含まれています。成人向け作品のため、十八歳未満の方はここから先を読まないでください。