あらすじ
「ライラ・フォレスター! 国庫の金を横領するようなあさましい女とは、今ここで婚約破棄する!」
王宮主催の夜会で、財務大臣の息子である婚約者が高らかに宣言した。
彼が掲げたのは、私が捏造したとされる偽の帳簿。
周囲が蔑みの視線を向ける中、私は静かに懐中時計を確認し、呟いた。
「……計算が、合いませんわ」
私が持っているのは、彼が裏金を流した証拠を全て記録した『裏帳簿』。
反論しようとした私の腰を、不意に冷たく強靭な腕が抱き寄せる。
「その帳簿、私が買い取ろう。――対価は、私の愛と『公爵夫人』の地位でどうだ?」
現れたのは、泣く子も黙る「氷の監査局長」ことアレクシス公爵だった。
これは、数字しか信じない地味な経理令嬢が、最強の公爵様に溺愛されながら、愚かな元婚約者を社会的に「監査(抹殺)」するまでの物語。