あらすじ
今作の主人公 回道 丞(かいどう すすむ)は、生まれつき人並外れた瞬間記憶能力を持つ少年だった。
幼少期から周囲との違和感を抱えながらも、彼はそれを表に出さず、「普通」を演じて生きてきた。
世界に刺激を見いだせなかった回道が、唯一心を奪われたのは――転生物の小説や漫画。
物語の主人公に憧れ、「もし転生できたら」という言葉を口癖にする、ごく普通の高校生としての日常を送っていた。
しかしある日、いつも通りの帰り道で、**“人ならざるもの”**を目にしてしまう。
その危機を救った謎の男・十神 泪との出会いにより、回道はこの世界の裏側――
妖力と霊力、そしてそれを操る者たちの存在を知ることになる。
「もう君は、こっち側の人間だよ」
そう告げられた瞬間から、回道 丞の人生は静かに、だが確実に狂い始める。
やがて明かされる彼自身の異質な才能。
それは転生者でも、選ばれし者でもない――
**“転生しなくても最強”**と呼ばれるに足る、危険で純粋な力だった。
本作は『霊業』本編の二年前を舞台に、
後に伝説として語られる男の、始まりから終わりまでを描く外伝連作。
これは、誰よりも早く世界の理不尽に辿り着いてしまった少年の物語である。