あらすじ
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。
――はいはい、またその流れですわね。
貴族令嬢シェリア・ド・ラファルジュは、ある日突然、王太子から一方的に婚約を破棄され、平民出身の“聖女”リリカを選ばれる。
しかし彼女は嘆かない。なぜならシェリアは、千年分の転生の記憶を持つ存在だったから。
魔法、剣技、治癒術。
過去の人生で極めた力をすべて備えた彼女にとって、追放は「面倒事から解放されただけ」の出来事だった。
隣国ガルディア王国で“名も名乗らぬ旅人”として静かに暮らし始めたシェリア。
誰にも縛られず、期待も背負わず、助けるかどうかは自分で選ぶ――
そんな自由な日々を送っていた彼女のもとへ、やがて崩壊寸前となった祖国から「助けてほしい」という声が届く。
けれど、彼女はもう無償では救わない。
「私はもう、あの国の国民ではありません」
「条件を飲むなら向かいましょう。国民に罪はありませんから」
謝罪、対価、そして国を変える覚悟。
すべてを差し出した時、初めてシェリアは手を差し伸べる。
これは、
聖女でも英雄でもなく、
“選ぶ側”として生きることを決めた令嬢の物語。
婚約破棄ざまぁのその先で、
彼女は今日も、自分の居場所を選び続ける。