あらすじ
この国で、勇者は希望ではない。
一度死んで、四肢をバラバラに切り刻まれてこそ価値が出る「最高級の投資商品」だ。
聖教国レヴァール。そこでは勇者の肉体を聖遺物として売買し、他者に移植して利益を得る「勇者ビジネス」が完成していた。
勇者の右腕一本、五億ゴールド。投資家たちは勇者の死を、最大の収穫祭として祝う。
主人公アインは、そんな死体を弄ぶ「聖遺物処理班」の解体技師。
先天性の難病で余命半年を宣告された彼は、高額な抑制剤を買うためだけに、かつての英雄たちを切り刻む日々を送っていた。
だがある日、運び込まれた「歴代最強の勇者」レオンの死体が、アインに語りかける。
勇者は魔王に敗れたのではない……。
アインは決断する。
廃棄予定の「勇者の心臓」を自らの胸に埋め込み、禁忌のセルフオペを断行。
歴代最強の勇者の力と技を手に入れた。
これは、余命わずかだった治癒士が、勇者の力を継ぎ接ぎして、腐った国家そのものを「解体」する物語。
命に値段をつけた者たちへ、俺は死よりも残酷な「治療」を開始する。