あらすじ
夢など、建物の土台にはならない。
華やかさだけを求める王宮で、私はずっと独りでした。
私が支えていた魔法の柱がどれほど重かったか、誰も知りません。
地味で冷徹と蔑まれた私の技術は、誰にも必要とされていないはずでした。
あの日、全てを失って辿り着いたのは、命を拒むほど凍てつく北の果て。
そこには、氷のような瞳を持つ辺境伯が待っていました。
魔法で石を組み替え、冷気を遮り、温もりを循環させる。
かつて無能と笑われた力が、白銀の雪原に見たこともない景色を描き始めます。
果たして、凍りついた世界を溶かすのは、緻密な魔法の火でしょうか。
それとも、孤独な設計士が初めて触れた、誰かの熱でしょうか。
私が最後に描き上げるのは、どのような未来なのでしょう。