あらすじ
私はただの便利な道具でした。
婚約者の浮気の証拠も、横領の裏帳簿も、腐りかけた生ゴミも。
すべてを「収納魔法」の中に隠すだけの、生きたゴミ箱。
それが伯爵令嬢コレットの役割だったのです。
でも、婚約破棄を突きつけられたあの夜、私は決めました。
「お預かりしていたものを、すべてお返しします」
十年間溜め込んだ汚物と秘密を、煌びやかなパーティー会場にぶちまけて。
国を捨てた私が辿り着いたのは、極度の潔癖症で知られる隣国の公爵邸でした。
埃ひとつ許さない冷徹な彼が、泥だらけの私を見て、なぜか熱っぽい瞳でこう言ったのです。
「君の魔法は美しい」
ゴミ箱扱いされた令嬢と、誰も寄せ付けない潔癖公爵。
正反対な二人が出会うとき、止まっていた時間が動き出します。
捨てられた私が、心の奥底に本当に「収納」すべきだったものとは。