あらすじ
エレンは学園でも指折りの成績優秀者だった。
この世界では、学園での成績がスキル授与に大きく影響するとされている。
――つまり、優秀な成績を収めてきたエレンには、誰もが羨む強力なスキルが与えられるはずだった。
実際、スキル授与の日まで、エレンは引く手あまただった。
ジュードやネアをはじめ、多くの生徒たちが「自分のパーティに入ってほしい」と声をかけてくる。
しかし、運命の日。
エレンに与えられたスキルは――
『飼育』と『組み合わせ』。
前代未聞のスキル名に、学園はざわめいた。
「飼育って何〜?牧場でも開くの?」
「組み合わせ?服のセンスがいいってことか?w」
嘲笑が飛び交い、空気は一変する。
さっきまで熱心に勧誘してきたジュードやネアも、まるで他人のようにエレンから離れていった。
ひとりぼっちになったエレンは、笑い者にされながら家へと帰る。
この世界の掟――スキルを授かった者は、すぐに独り立ちしなければならない。
失意のまま、エレンは村を後にした。
大きな街で、学園時代に鍛えた剣の腕だけを頼りに、細々と依頼をこなす日々。
そんなある日、エレンは遭遇してしまう。
ドラゴンの中でも最強と名高い――ブレイルドラゴンの“赤ちゃん”に。
本来なら、逃げるしかない。
それなのに、恐怖で足が動かない。
だが次の瞬間、信じられないことが起こる。
ブレイルドラゴンの赤ちゃんは、なぜかエレンにすり寄り、懐き始めたのだった。
え……?