あらすじ
断罪され、悪役として死ぬ。
それが彼女に用意された、ただ一つの役目だった。
しかし断罪の日、物語の主役であるはずの“聖女”は現れない。
延期を重ねるうちに、城には善意と慎重さだけが積み重なり、誰も決断しなくなっていく。
誠実な王太子は正義を信じ、彼女を守ろうとする。
だがその善意は、悪役令嬢の居場所を宙に浮かせ、物語そのものを停止させていた。
誰も悪くない。
だから誰も裁かれない。
役目を失った悪役令嬢は、終われないまま生き残る。
そして、物語の外側で――
「生きていていい理由」を、初めて問い直すことになる。