あらすじ
主人公は湖を瞳に持つ少女、シェリル・フィデリティ嬢である。最も輝く季節である夏を迎えた彼女が、夜風に応えて窓を開いたことから、物語は転がりだしたのだった。
爽やかな夏風と共に、美しいヴァイオリンの音が訪れる。奏でられている曲は、一曲のみのエンドレスにて、『カノン』。飽くことなく続けられる演奏を、また飽くことなく聞き惚れながら、シェリーは奏者に想いを馳せてしまう。その音楽には、秘められたなにかが感じられた。
持ち前の好奇心を発揮し、当然とばかりにシェリーは音の出所を突き止めに向かう。たどった先で弓を操っていた人物は、まで若き青年だった。不乱に弾き続ける彼の姿は、悲しみの気配を湛えた音色と共に、シェリーの心に強く響いてしまい――