あらすじ
囚われた弟の命を救うため、リーゼは公爵の娘として騎士団長シルヴィオに嫁いだ。 彼女に与えられた真の任務は、夫を監視し、国王を裏切る情報を流すこと。
新居で待っていたのは、氷の騎士と恐れられるほどに無口な夫。 何を考えているか分からない瞳に見つめられるたび、リーゼは正体がバレる恐怖に震える。
けれど、偽りの生活の中で触れたのは、夫の不器用なほどの優しさだった。 罪悪感に苛まれながらも、ついに訪れる破滅の時──
「殺してください。私は……あなたを裏切ったスパイです」
泣き崩れるリーゼを、無口だった夫は激しく熱をはらんだ瞳でにらみつける。
「殺す? そんな生易しいことで許されると思うな。おまえのすべてを、俺が丸ごと奪い尽くしてやる」
夫からの逃げ場のない執着と溺愛に、リーゼはある決断をする___