あらすじ

山と火山に囲まれた小さな集落・ポルカ村は、実りの季節を迎えていた。村長代理ユーグは冷静沈着で信頼厚い青年。一方、彼の幼なじみカネリは功名心が強く、次期村長の座を巡って内心ではユーグに劣等感を抱いていた。 そんな村を、突如として異星文明イゴランティス軍が襲撃する。圧倒的な戦力差の中、ユーグは火山ガスを利用した奇策で辛うじて敵を退けるが、長期戦は避けられない。やむなく講和を選び、使者としてカネリが敵陣へ向かう。しかし彼は銃撃を受け、そのまま捕らえられてしまう。 イゴランティス軍は、病に伏す女王イサラーグを救うため、カネリの血を必要としていた。輸血によって女王は快復し、その見返りとしてカネリは破格の待遇を受ける。やがて彼は女王に取り入り、故郷を捨ててイゴランティスの王配となる道を選ぶ。長年抱えてきた承認欲求と劣等感は、歪んだ形で満たされていった。 一方、カネリの急激な台頭に疑念を抱いたのが、軍大隊長セルペンスである。彼は密かに地上へ降り、ユーグに侵攻計画を伝えようとするが、その行動が露見し、反逆者として捕らえられてしまう。拷問を受け、死を待つ彼を救ったのは、皮肉にも女王イサラーグだった。彼女は自らの判断の誤りを認め、セルペンスに地上での反撃を託す。 最終決戦の夜、ユーグとセルペンスは洞窟と村を利用した罠を仕掛け、イゴランティス軍を迎え撃つ。戦況が崩壊する中、カネリは怒りと錯乱の末に女王を手にかけ、すべてを失う。忠誠を誓っていた将軍ドラグルスは、女王を殺したカネリを討ち、その後自らも戦場で命を落とした。 戦争は終結し、村は救われた。女王と将軍は丁重に葬られるが、カネリだけは名もなき墓に埋められる。墓標に刻まれたのは、かつての肩書きではなく、ただ一言――「ポルカ村の青年カネリ」。 ユーグは小さな花を手向け、静かにその場を去るのだった。

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小説を読もう2026/01/06
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