あらすじ

「リゼット・フォーラン! 貴様のような陰気な女とは、今ここで婚約破棄する!」 王城の大広間、デビュタントの舞踏会。 婚約者であるカイル伯爵令息の声が響き渡った。 彼は私の妹である「聖女」の腰を抱き、勝ち誇った顔でこちらを見下ろしている。 周囲はヒソヒソと私を嘲笑う。 「可哀想に」「地味な姉だものな」「愛想をつかされたか」 けれど、私は泣き崩れたりしない。 むしろ、眼鏡の奥で安堵していた。 (ああ、やっと言質が取れた) 私は王城の筆頭書記官。 私の特技は『絶対記録』。そして私の手元には、カイルが横領や不貞について語った数年分の「暴言記録」がある。 これを監査局に提出すれば、彼は終わりだ。 「――承りました。では、以後のやり取りは法廷で」 私が冷淡に告げた瞬間、ざわめく群衆を割って、ひとりの男が現れる。 「その証拠、私が預かろう」 それは「氷の処刑人」と恐れられる監査局長、グレン公爵だった。 これは、地味で「記録係」と蔑まれていた私が、その几帳面さで元婚約者を破滅させ、冷徹な公爵様に溺愛されるまでの逆転劇。

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小説を読もう2026/01/06
  • 現在の作品婚約破棄されたので、貴方の暴言記録を全て監査局へ提出します