あらすじ
ミッション系の高校・私立フィオリ学園の礼拝堂に、毎日通う少女・北村奈実(きたむら なみ)。
周囲からは「敬虔な不良少女」と見られているが、本人はただ「他人と一緒にいたくない」だけだった。
放課後の礼拝堂で、無言で課題をこなし、掃除をし、お茶を飲む日々。
相手をするのは、若い聖職者・宮野真人(みやの まさと)神父。互いに信仰に篤いとは言い難いが、静かな礼拝堂は、奈実にとって唯一「呼吸のしやすい場所」になっていく。
やがて奈実は、礼拝堂での時間を通じて、自分の将来と向き合い始める。
「自分で選ぶ」ことからずっと逃げてきた少女が、初めて選び取ろうとする進路。
一方で、宮野神父にも、医大時代の挫折と「逃げてきた過去」があり──。信仰に薄い神父と、敬虔とは言えない女子高生。
ともに「弱さ」を抱えた二人が、教会という場所で、それでも生きていこうとするまでをそれぞれの視点から描く、静かな青春小説。
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