あらすじ
新春、ようやく高校生になった主人公・葉端湊(はばた みなと)は、新たな学園生活に期待し胸を躍らせていた。
しかしその期待は、なんとも消化不良なまま唐突に終わりを迎える。
ほんの一瞬の踏み外し、階段から転落し、彼の人生はあっけなく終わった。
――ここで人生は終わり。
のはずだった。
目を覚ますと、そこは所謂“異世界”であった。
理由も分からないまま、彼は公爵として生きることになる。
そんなある日、湊は一人の奴隷の少女と出会う。
光を失ったその瞳に、彼は心がひどく痛んだ。
「この子は普通に生きられるように」
優しく、丁寧に。
衣食住を与え、言葉を教え、決して傷つけないよう細心の注意を払った。
――彼は、完璧にやり遂げた。
そう、思っていた。
だが彼は気付いていなかった。
その優しさが、少女の心を静かに、そして確実に縛り付けていたことに。
これは、
善意だけで動く主人公が、重すぎる想いを向けられ、徐々に逃げ場を失っていく物語。
自分を主人だと思っていた少年は、
いつの間にか“選ばせてもらえない立場”になっていた――。