あらすじ
ロンジェ侯爵家の次男カシアンは、かつて商家の娘リーナと深く愛し合っていた。しかし、次期当主である兄の急逝という悲劇が彼の運命を一変させる。カシアンは兄のスペアとして家を継ぐことになり、兄の婚約者であった侯爵令嬢アイリスとの婚約を余儀なくされた。
混乱の中でリーナは消息不明となり、カシアンは「自分は捨てられたのだ」と想いを封印して、貴族としての義務に生きる決意を固める。
それから3年。次期当主としての地盤を固めつつあったカシアンのもとに、リーナが隣領で見つかったという報せが届く。
「……いっそ見つからないでいてくれたらよかったものを」
自身の地位と家門を守るため、カシアンは冷徹な決断を下す。その「完璧な判断」の結末を、誰も知らない。