あらすじ
湖畔の館で、魔王はメイドとして朝を整えている――争いの果てに、ようやく掴んだ未来。
かつて世界を滅ぼしかけた魔王『エクリナ』。
神に従い、空虚に支配され、世界への絶望が彼女のすべてだった。
その手にあったのは強大な闇の力と孤独な時間。
運命に抗うエクリナは、仲間を集め、神に対して反旗を翻す。
しかし、魔王は誤った道を選択し、歩み始める。
神を討つための“最短”を求めた果てに――彼女は禁忌へ踏み込んだ。
世界を消滅させる術具の製造を開始する。完成間近、その前に“旅人”が立ちはだかる。
その剣士の名は『セディオス』——魔王と敵対し、勝利し、手を差し伸べ、共に神に挑むことを選んだ。
旅路の果てに死闘を演じ、最後は神を討ち果たす。
戦いの果てにエクリナが得たものは、因子と因果で結ばれた家族の笑顔と静かな日常。
今ではメイド服を纏い、紅茶を淹れ、館を整える日々。
主であり、かつての敵セディオス。雷の少女ライナ。炎の才女ルゼリア。無垢な術具士ティセラ。
食卓を囲む時間こそ、彼女の“第二の王座”となる。
世界を滅ぼす気も、救う気もない。
ただ守りたいのは、食卓の笑い声だけ――だが世界はそれを許してくれない。
救済の裏で、陰謀が芽吹く。戦乱へ導く“誰か”が、静かに動き出す。
ゆっくりと滅びが忍び寄る。
館の安寧を乱す者がいるなら、魔王は再び闇を振るう。
「我の世界、日常は奪わせぬ」
優しく、気高く、時に容赦ない『魔王メイド』のセカンドライフが始まる。