あらすじ
株式会社KWSステーション
国内外に拠点を持つIT事業に特化した会社だ。
テレビCMでもおなじみの会社であるから知っている人も多いだろう。
幅広い事業展開――特に高度な業務支援・AI技術・情報管理を専門とする知識労働支援型IT企業。
主に企業向けの製品販売を行っている会社でもあり、業績は右肩上がり。
『人と情報の関係性を設計する』
Knowledge Workflow Systems
そんな謳い文句で、有名な会社である。
本会社で勤めて、部署長へと昇進した水科 迅は、異動とともに次長として配属された部署と異動先部署の二部署の部長を兼任している。
比較的優秀な部類の社員であろう。
そんな彼は、まじめに働きながら毎日のように遅刻をしながら(?)過ごしていた。
いつも信頼していた先輩課長の、ある日を境に没落していく様を見ながら、自分の理想な課長像を目指して邁進した結果が今であった。
そんな迅が目指した先輩課長は、今は夜間勤務者としてトラブルを起こしながら過ごしている。
質問の内容に関係なく、決まった文言を繰り返すだけ。
それがまるで録音された音声のように、毎回同じイントネーション、同じ間の取り方で返ってくる。
会社という場所はそういう得体の知れない人を一人二人は抱えているものである。
誰も深く追及しようとはしなかった。
違和感は、確かにあった。
彼はただ、今日も夜間勤務者として、そこにいるだけだった。
空気のように、風景の一部として。