あらすじ

辺境の村で鍛冶見習いをしているリオは、最近村に吹く“熱い風”を不気味に感じていた。人々はそれを「竜の息」と呼び、近づく災いとして恐れている。ある夜、見張り鐘が鳴り、山の奥が灰色に光る。森の手前へ向かったリオは、倒れていた少女セラを見つける。彼女は「竜の息吹が来た」と言い、直後に熱い風が村を包み込む。しかし炎は出ず、焼ける痛みもない。ただ胸の奥に、消えない温度だけが残った。 翌日、王都の監察官が現れ、セラを「保護」の名目で連れ去ろうとする。村を守るためにも従うべきだと言われる中、リオは目の前の誰かを見捨てられず、セラと共に村を出る決意をする。師匠ガイルは不器用に旅支度を渡し、「戻る場所は残しておく」と背中を支える。 夜の森を進んだ先で、崖の上に竜の影が現れる。竜は言葉を持たず、ただ温かな息を吐いた。怖いのに、泣きそうになる。リオはその温度に導かれ、旅の一歩を踏み出す。竜の息吹は燃やすためではなく、“歩かせる”ためにあった。

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小説を読もう2026/01/24
  • 現在の作品竜の息吹と、旅の始まり