あらすじ
「お前の悪役ムーブにはもう耐えられない。パーティから消えてくれ」
かつて世界を救うと予言された勇者パーティ。そのリーダーである如月レンジは、あえて「強欲で傲慢なヒール(悪役)」を演じることで、仲間への批判を一身に受け止めていた。 裏ではスポンサーに土下座し、仲間の装備費を稼ぎ、危険なルートを単独で確保する。それは、愛する聖女や親友である勇者を輝かせるための「誇り高き踏み台」としての選択だった。
しかし、その真意を知らない仲間たちから追放を宣告されたレンジは、笑ってそれを受け入れる。 「これで彼らは本当の英雄になれる」 そう信じて、最後に一人、誰にも攻略不可能な最深部「アビス・ゾーン」へ、思い出作りのラストダイブに向かった。
誰もいない深淵で、カメラに向かって独り言を漏らすレンジ。 「……ああ、本当に大好きだったよ。幸せになれよ、お前ら」 涙ながらに本音を吐露し、命を賭して神話級ボスに挑む。
だが、彼は気づいていなかった。 そのカメラが「全世界公開設定」のまま配信中であり、同接数が1億人を突破していることに。