あらすじ
物語『さつき』簡単紹介
東京の激務で疲弊した刑事・井上康隆は、当てなき旅の末、岐阜奥飛騨の雪深い限界集落「白雪郷」で遭難する。彼の命を救ったのは、村で唯一の医師・犬飼奉安。そして康隆は、顔にアザを隠し、村の命運を背負う当主・雪乃と出会う。
「住民50人を下回れば廃村」という過酷な規定に縛られ、奇妙な結束を保つ白雪郷で、やがて不可解な連続殺人事件が発生。康隆は、自らも容疑者となる中、刑事としての正体を明かし、雪乃への愛と職務の狭間で葛藤しながら捜査を開始する。
村の権利を狙う元村民・赤沼達也とパートナー・鈴木日向子、そして康隆に惹かれ、彼らの弁護を引き受ける敏腕弁護士・瀬川律子。愛と法と因習が複雑に絡み合う中、康隆は、恩人である犬飼奉安こそが、村の純粋さを守るため殺人を犯した「狂信者」であるという、あまりにも残酷な真実に辿り着く。
雪乃の顔のアザに隠された村の血塗られた歴史、そして「人身御供」の因習。
愛する者の裏切り、揺れ動く正義、そして次々と暴かれる村の闇――。
刑事として、そして一人の男として、康隆はこの村の闇にどう立ち向かうのか?
雪乃への絶対的な愛と、律子の深く切ない愛が交錯する中、事件の真相と、村の未来、そして三人の愛の行方は、一体どこへ向かうのか。
この雪深き閉ざされた村で、彼らは何を失い、何を手に入れるのか?
愛と法、そして因習が激しくぶつかり合う、究極の社会派ハードボイルド・ミステリー。