あらすじ
世界大戦から200年。
かつての文明は錆に沈み、暴走した無人兵器と異形の生体兵器が地表を支配する「黄昏の時代」。
14歳の少年・ジンは、鉄色の髪と褐色の肌をオイルで汚し、荒野でひとり生きていた。
住処は、自らの手で改造し尽くした移動用ポッド(キャンピングカー)。
仕事は、危険な兵器の残骸からレアメタルを剥ぎ取るスカベンジャー(廃品回収)。
機械修理の腕だけを頼りに生きる彼にとって、他者は不要なノイズでしかなかった。
ある日、ジンは大型兵器の巣窟と化したエリアで、奇跡的に無傷の地下研究所を発見する。
そこで眠っていたのは、透き通るような白髪と、カメラの絞りのように動く青い機械の瞳を持つ少女・ノア。
旧時代のオーバーテクノロジーで造られた彼女は、国一つを焦土に変えるほどの「戦略級自律兵器」――のはずだった。
「……あー、なんだ。また電池切れか?」
彼女は、プログラムが初期設定のまま放置された「無垢な赤ん坊」だったのだ。
しかも、その強大すぎるエネルギー源は、あろうことか「太陽光(ソーラー)」直結。
晴れれば無邪気に走り回り(ついでに敵を迎撃し)、
曇れば気怠げにゴロゴロし、
雨が降れば機能停止(スリープ)して、ただの重たいお荷物になる。
「Fiat Sol(太陽あれ)」
そう祈らなければ、今日の旅も始まらない。
これは、偏屈な修理屋の少年と、お天気任せの最強美少女兵器が織りなす、
錆びついた世界の、のんびりとした旅の記録。