あらすじ
——東京は、一本の白い蛇に丸呑みにされた。
その白蛇の正体は、三年前に病死した俺の妹だった。
いま彼女は、六千万人分の演算能力を使い、レインボーブリッジの真下に一つの「扉」を開いている。
扉の向こうにいるのは、高次元文明から派遣された『観測者』。
奴らは、人類が「燃料」として扱われた二百四十七人の失踪者を取り戻すために、いったい感情をいくらで売るのか――それを見物しに来た。
俺の名は神代悠人。
世界最大のゲーム会社社長にして、筋金入りの妹バカ。
そして、日本第二位の富豪だ。
俺の答えは、単純明快だった。
「——売らない。
相手が誰だろうと、俺の妹に手を出す奴は許さない。
たとえ記憶を捨てても、
たとえ全財産を失おうと、
たとえ世界中を敵に回そうと、
必ず俺が——叩き潰す」
——こうして、世界はSTARTボタンを押された。
カウントダウン 00:29:59。