あらすじ
普通の高校生・榊善太郎は、ある日突然、生き別れていた姉から一通の手紙を受け取る。
両親の失踪後、長年家族として過ごしてきた叔父と叔母のもとを離れ、善太郎は姉の住む国――チェコ・プラハへ向かうことになる。
だが、空港で渡された航空券は、どの航空会社にも存在しない“あり得ないチケット”だった。
途方に暮れる善太郎の前に現れた謎の女性ミーシャは、そのチケットを「魔法のチケット」だと言い、彼を扉の向こうへ導く。
辿り着いた先は、魔法使いと魔法が当たり前に存在する国――
サンセント・シルヴァ公国。
魔法学園に入ることになった善太郎は、自分が「魔力を持たない異常な存在」であることを知る。
しかしそれは、魔力が“ない”のではなく、“完全に制御されている”という前代未聞の状態だった。
やがて再会した姉は語る。
――この国はかつて滅びかけ、未来から来た「ある魔法使い」によって救われたこと。
そして、その魔法使いこそが、善太郎自身であることを。
未来で世界を救い、過去を改編した代償として、
彼はすべてを失い「普通の人間」として現代に戻された存在だった。
再び動き始めた過去と、崩れかける未来。
善太郎は選択を迫られる。
何も知らなかった日常へ戻るか。
それとも、魔法の国に残り、もう一度“世界を救う存在”になるか。
これは、
選ばれなかったはずの少年が、
自分の過去と未来を取り戻していく――
魔法と時間の物語。