あらすじ
あらすじ
A国の巧妙な「助言」によって、日本は本来対立していなかったC国との戦争へと踏み込む。
政府は同盟維持と支持率を優先し、判断の根拠を検証しないまま開戦を選択。保守層と保守メディアは「強い日本」「今こそ決断の時」という単純な言葉を繰り返し、疑問や慎重論を排除していく。
戦争が始まると、想定外の事態が連続する。A国は距離を取り、日本は孤立するが、保守の言葉は「勝利」から「耐える」「結束」へと静かに変質していく。敗勢が明らかになるにつれ、責任は曖昧化され、「時代が悪かった」「誰も悪くなかった」という語りが広がる。
やがて戦争は終結するが、敗北は認められず、出来事は「困難な時代を乗り越えた物語」へと加工される。具体的な判断ミスや責任の所在は削られ、犠牲は感動や誇りの象徴に置き換えられる。保守は加害でも推進者でもなく、「信じて傷ついた被害者」として自らを位置づける。
最終的にこの戦争は、総括報告書や記念式典の原稿として整えられ、「学んだ」「成長した」という言葉で封印される。しかし、何を誤ったのかは語られないまま、同じ言葉と構図が次の危機に再利用されていく。
本作は、考えない正義と言葉の加工が、同じ過ちを繰り返す装置になる過程を冷酷な皮肉で描いた物語である。