あらすじ
芸術と娯楽の国ノクティア。
“勝利がすべて”と謳われる闘技場
《ネリネの円環》の地下には、行き場を失った者たちがひっそりと生きていた。
孤児の少年アルドと、言葉を持たない少女ミア。
二人は誰にも知られぬ通路で出会い、
指と視線だけで、世界を分け合うようになる。
やがてアルドは闘技者となり、
その名は“勝利”の象徴として地上に広まっていく。
だが彼の願いは、ただ一つ。
――ミアが、今日も笑っていること。
「俺の闘いは、見るな。」
地下で待ち続ける少女と、
剣だけを与えられて育った少年。
その閉じた日々に、王国騎士団が踏み込む。
二人の世界は終わりを告げ、
“外”という名の光が、彼らの前に差し込む。
闇の底で出会った二人は、
まだ知らない“外”へと、
たった一つの手を握ったまま歩き出す。
闇の中で生きてきた少年と、
声を持たない少女が、
初めて“世界”に触れるまでの物語。