あらすじ
婚礼の夜、新居が吹き飛んだ。
魔導の天才でありながら極度の対人恐怖症を抱えるアリアにとって、それは絶好の口実だった。
彼女は固有魔法である絶対聖域を発動し、空中に浮遊する寝室へ引きこもることを決意する。
術者がその場から一歩も動かない限り、いかなる攻撃も通さない無敵の空間。
瓦礫の山となった辺境で、彼女はパジャマ姿のまま国を守る戦いに挑む。
通信魔導具で軍を遠隔指揮し、闇市場から食料を取り寄せ、経済操作で敵国を破産に追い込む。
すべては、愛する夫ジークフリートに守られながら、二度と外に出ない平穏な生活を手に入れるため。
しかし、最強の盾は同時に残酷な檻でもあった。
透明な壁一枚を隔てて、傷ついた夫に触れることさえ許されない。
安全圏から見守る彼女の前に、聖域すら無力化する絶望的な脅威が迫る。
自分の殻を破らなければ、大切な人を守れないとしたら。
引きこもり令嬢が選ぶのは、絶対の安全か、それとも愛か。