あらすじ
祖母が亡くなり、大学院生・嘉神響は、唯一の肉親を失って天涯孤独となった。
遺された嘉神家を整理するために蔵に入った響は、埃だらけの中で、
不思議なことに埃ひとつ積もっていない木箱を見つける。
その中から出てきたのは、赤黒い石のついた古い指輪——
チェーンに通され、ネックレスとして仕立てられたものだった。
それを首にかけた瞬間、響の周囲で不可解な現象が起こりはじめる。
指輪から聞こえる謎の声。人の"悪意"が紫色のもやとなって見え、
指輪に宿る精霊がそれを喰らっていく。
さらに、祖母の遺した書類には次々と偽造の痕跡が見つかり、
正体不明の「親戚」を名乗る者たちが現れ、響と指輪を狙い始める。
土地・財産、そして「親戚はいない」という祖母の言葉。
すべてがひとつの事件へとつながる中、響は胸元に宿る
"悪意を喰らう精霊"に導かれ、嘉神家に隠された真実へと踏み込んでいく。
——これは、悪意を喰らう指輪が暴いた、最初の事件。